商学部
商学部とは一体何を学ぶ学部なのか、これは分かりにくいですね。
経済のシステムは物を作る生産、物を流す流通、物を使う消費から成り立っています。 生産は主に工場で行われますが、農作物なら農家が生産者になりますし、小規模な 生産を自宅で行っている人もいるでしょうし、その形態は様々です。 流通は生産された物を消費者に流す業者で、問屋や運送業、販売店までが含まれます。 消費者が必要とする商品を手に入れるために、流通の役割はとても大きなものと なるのは皆さんも理解しているでしょう。 雪などの影響で流通がストップして商品が届かず品薄になることも稀にあります。 消費はそのまま消費者のことで、より多くの消費者を満足させることが商売を長く 成功し続けるためには必要です。 このシステムの中で商学部が学ぶことは、生産と消費を繋ぐ流通についての知識 が中心になります。 流通は商業者で支えられているので、流通すなわち商業、この部分をメインに 商学を中心として学ぶ学部が商学部です。 経営学部・経済学部以上に商売での儲け方を学ぶのが商学部である、と言っても よいかもしれません。 学論を学ぶというよりも実践で役に立つ実学を学ぶことができる商学部は、 どこかに就職をしたり経営コンサルタントになろうとするのではなく、自分で 会社経営をしようと考える大学生にとって一番必要な知識かもしれません。 今では電卓やパソコンで誰でも簡単に計算することのできる時代ですが、 ソロバンを使っていた昔は商学部でその使い方を学んでいたほど、商売をするのに 必要な技術を身につけるための商学部であったのです。 日々の営業に欠かせないお金の計算や帳簿のつけ方など、より現実的な経営方法 を知りたいのであれば商学部が適しているでしょう。 お金の流れ全体を、経済を全て知りたいのであれば経済学部のほうが広く知識を 得ることができるでしょうが、商店街の八百屋さんくらいのイメージで商売を するのであれば、この商学部でお店の回し方を覚えたほうが役立ちます。 こじんまりとしたお店でも海外に出店するのであれば話は別で、日本人観光客の 多い国で日本人相手の商売をしようとしたり、日本からの留学生が集まる街で ホームシックの学生に日本食を提供する料理屋を開こうとするのなら、より広い 視点から物事をみることが出来るよう、世界相手に通用するように経済学部や 経営学部へと進むこともありでしょう。 経営に関すること以外にも学びたいのであれば、その国の言語を覚えるための学部 を選択したほうがよい場合もありますし、その国の文化を深く知りたいのであれば 留学して何年か住んでみるほうが理解も早いです。 大学の講義では知ることの出来ない、現地へ行かなければ体験できないようなことも きっとたくさんあります。 いくら小さなお店でも国外にお店を構えるのであれば、日本式の帳面の付けかたを 学ぶよりももっと大事なことがあるのです。 商学部では商取引に必要な会社法、その基礎法となる物権や債権などを学ぶ民法、 簿記とその延長線上にある会計だけでなく、貿易商務では海外取引の方法を学ぶ ことになります。 ですがほとんどが日本国内で商売をするのに必要な知識で、海外で商売を始めようと するのならその国の法律なども学ばないといけません。